私は、少なくともこれまでは、決して明確な原発反対論者ではありませんでした。しかし、チェルノブイリ事故の当事国であるロシア・ウクライナ・ベラルーシの研究者であり、福島原発事故を同時代に体験し、また故郷の静岡県には浜岡原発が立地していることから、このまま安閑としていていいのだろうかという焦燥感が、今さらながら募ってきました。そこで、本HPに、「チェルノブイリ~東電~浜岡」と題し、原子力に関連した情報発信のコーナーを設けることにしました。 |
こちらのニュースなどによると、国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長がこのほどベラルーシを訪問したとのことなので、ニュースの要旨を整理しておく。
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ベラルーシ訪問中のIAEAの天野事務局長は、ベラルーシ非常事態省の人材再教育・技術向上研究所を訪問し、概要以下のように発言した。すなわち、ベラルーシの経験は福島第1原子力発電所の事故を収拾する上できわめて重要だった。チェルノブイリやフクシマのような大惨事が起きた際に、それに対処し収拾する経験が、貴国にはある。放射線安全の諸問題において、ベラルーシは長らく、IAEAの重要なパートナーとなっている。ベラルーシには多くの関連の開発品や設備があり、それらは日本向けを含め輸出もされている。これは、チェルノブイリの悲劇後に経験した貴国の教訓が、活用されたことを意味している。天野局長は以上のように述べた。
天野局長は2日さらにジダノヴィチ児童リハビリ・療養センターを訪問し、4日にはマルティノフ外相と会談することになっている。
こちらの記事によると、核セキュリティ・サミットに参加するため韓国ソウル訪問中のヤヌコーヴィチ・ウクライナ大統領は、廃炉となったチェルノブイリ原発を覆う「シェルター」の建設が4月26日に始まることを明らかにした(注:4月26日は1986年にチェルノブイリ原発事故が起きた記念日)。27日、記者団に対し述べたもの。ヤヌコーヴィチ大統領は、以下のように述べた。シェルターの建設資金が寄せられたことは、国際社会の共通の成果だ。ウクライナは国際的な核安全に向けた取り組みの積極的な一員となった。ウクライナはチェルノブイリ原発を基盤として国際的な科学研究センターを開設することを提唱しており、ウクライナの25年間の経験は全世界にとって有益なものとなるはずだ。
記事によると、チェルノブイリのシェルターはアーチ状の形状であり、高さ105m、縦250m、横150mの大きさがある。完成後、現在石棺で覆われているチェルノブイリ4号炉の上部に移動される。プロジェクト総額は10億ユーロ強で、2015年の完成を見込んでいる。すでに7億ユーロの資金が寄せられている。
現在建設に向けた準備作業が進められているベラルーシ初の原発は、同国北部のオストロヴェツ地区に設置されることが決まっている。こちらのサイトによると、建設地は首都ミンスクからは134km離れているのに対し、対リトアニア国境は20kmと至近であり、リトアニアの首都ヴィルニュスとの直線距離も53kmにすぎない。
こうしたことから、リトアニアはベラルーシの原発計画に反対の声を上げてきたわけだが、このほど新たに注目すべき動きに出た。こちらのニュースによると、リトアニアは原発の建設地を変更することをベラルーシに要求するようユネスコに訴えたということである。ヴィルニュス旧市街はユネスコの世界文化遺産に登録されており、オストロヴェツ地区に原発が建設されればその環境および安全が脅かされることになるというロジックで、ユネスコにアピールをしたということである。リトアニアのユネスコ委員会のアピールには、「リトアニア社会には今に至るまで、計画されている原発が環境、100万以上の住民の生活、ヴィルニュスを流れるネリス川の生態系に及ぼしうる影響につき、充分な情報が提供されていない。また、利用される核燃料の保管にどんな方法が想定されているのか、核惨事が起きた時にヴィルニュスの住民の避難をどのような条件で行うかも、明らかでない。リトアニア社会も、両国の文化的発展も、ベラルーシ共和国の一方的な行動の囚人になるわけにはいかず、それは両国間の文化的協力関係に破局的な結果をもたらす」と指摘されている。
こちらのニュースによると、ベラルーシ北部のオストロヴェツで予定されている同国初の原子力発電所の建設工事は、この4月に始まるということである。合弁会社「アトムストロイエクスポルト」の社長代行で、ロシア・ニジェゴロドのエンジニアリング会社「アトムエネルゴプロエクト」部長のV.リマレンコが21日記者会見で明らかにした。同氏によれば、建設にかかわる主要文書はすでに作成され、それを実施に移す時が来た。3月の末までにはすべての書類が整うだろう。その上で、4月には建設工事に着手することをけいかくしている。障害となるものは何もないと、同氏は述べた。ベラルーシのMミハジュークエネルギー次官も、3月20日に関係各社との第1回の作業会合が開かれたが、プロジェクト実施に障害は一つもないと述べた。建設現場のM.フィリモノフ監督によると、現在のところ現地では、コンクリート工場の設営、鉄道・道路の敷設、住宅の建設など、原発建設に必要な基礎インフラ建設作業が急ピッチで行われているという。
ロシアの「電力機器研究開発設計研究所(Научно-исследовательский и конструкторский институт энерготехники имени Н. А. Доллежаля)」のYe.アダモフ研究部長が、こちらのサイトで、東京電力原発事故1周年を受けたインタビューに応じている。以下、その発言要旨を整理しておく。この人は、一応は原子力村の住民のはずだが、必ずしも原子力正当化一辺倒ではないところが興味深い。
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東電事故の原子力産業への打撃は大きく、ドイツとスイスが原子力発電全廃を決めただけでなく、原発再開を期待されてたイタリアでも、事故後に実施された国民投票の結果、その希望が葬られた。もしもドイツで推進されている再生可能エネルギーの開発が所期の計画どおりの成功を収めたら、このトレンドが他の国にも広がることは不可避である。
(東電の事故があのような展開を辿った最大の要因は、天災、設計の不備、人為的要因のどれだったのか?)今日使用されているテクノロジーは、こうした事故の危険をはらんでいる。初めて原子炉から電力を得てからの60年間で、6件の過酷事故が発生しており、うち東電では3つの原子炉で同時に起きた。過酷事故が生じる蓋然性は、平均で10年に一度ということになり、あまり勇気付けられるものではない。米国でスリーマイル島事故が起きた際にソ連では国民に対し、こうした事故は利益を優先し住民の安全を軽んじる資本主義国でしか起こりえないと説明された。チェルノブイリが起きた時には、今度は西側が、ソ連の安全文化の欠如を指摘した。東電事故が起きた今となっては、そろそろ原子炉のテクノロジーが問題なのだということを認めるべきではないだろうか。
私の同業者たちは非常に保守的で、明白なことも認めようとせず、東電事故は古い設計や(あらゆるテクノロジーはいずれ古くなるのだが)、日本人の国民性が原因だと主張しようとしている向きもいる。2010年にドイツのシュプリンガー事典は私と、日本人の専門家であるフジヨ教授に対し(注:この人のこと?)、原子力テクノロジーの将来展望について共同で記事を書いてほしいと依頼してきた。だが、共同の記事は一部しか成立しなかった。私は、根本的に新しい性格の安全性を備えた原子力に移行すべきだということを主張したのだが、フジヨ氏がそれに同意しなかったからである。出版社側は、我々を尊重し、両論併記にした上で、どちらが正しいかは時間が証明することになるだろうと序文に記した。その事典が出版されたのは、東電事故の1ヵ月前だった。
(今日とられている安全性向上のための措置は、充分なのか?)それはこれまでも充分だった。事故による死亡率という観点から言えば、原発は電話機の次くらいに低い。尊敬に値する専門家のA.グシコフによれば、チェルノブイリ事故で放射線の直接的な影響により実際に死亡した数は、150人以下だったという。しかし、被爆以外の原因、すなわちストレス、低い民度、社会情勢、誤った政府の決定、移住、マスコミによって煽られた放射能恐怖症などが引き起こした心血管、消化器、または神経疾患の病気で死んだ人々は、数えきれなかった。安全措置は充分だと自分に言い聞かせることはできるが、いかなる電力事業者も、いったんこのような過酷事故が起きれば、稼働しているすべての原発からの利益を合計しても、損害を賄うことはできない。東電はその端的な例で、旧ソ連は広大な国だったのでチェルノブイリの30km圏を放棄できたのに対し、日本は汚染地域の汚染地域からの汚染物質の除去が不可避であり、今度はそれを持っていく先で住民の反対に直面する。事故は不可避であり、いかなる国もそれから自由ではない。
日本は独自の炭化水素資源がなく、水力発電のコストも高いので、原子力を放棄することは難しいだろう。だが、東電事故のショックと、広島・長崎の心の傷が相まって、日本の世論は原子力の積極的な推進に対して長らく抵抗を示すだろう。ただし、住民の避難や電力会社にとって壊滅的な物質的損害を与えるような大事故の可能性を排除するテクノロジーは知られている。日本は、技術的なアプローチを立て直し、原子力の利用に回帰していくだろう。
世界の原子力の安定的な発展のためには、「自然安全」が鍵となる。
こちらのニュースが、カザフスタンが同国における原発建設計画を確固として推進していくということを伝えている。
これによれば、政府閣議でA.イセケシェフ工業・新技術大臣は、以下のように語った。すなわち、カザフは原子力エネルギーを諦めない。長期的に見れば、建設に漕ぎ着ける。ただ、それがどんなタイプの原子炉か、どんな発電所かというのは、国民への安全、最良のテクノロジーを考慮しながら、これから長期にわたり検討いく。2030年までには、発電の4%程度を原子力が占めることになろう。
S.アフメトフ第一副首相は、原発の問題は本年中に明確にする必要がある。現在、工業・新技術省、経済発展・商業省の専門家がその問題に取り組んでいる、と発言した。
半年ほど前、K.サウダバエフ外相は、原発建設は我々の共通の目標、核なき世界への前進に矛盾しないと発言した。非核世界をPRしてきたカザフが原発を建設するのは矛盾しないかという外国人記者の質問に答えたものだった。
カザフが計画している東カザフスタン州クルチャトフにおける原発建設には、約30億ドルを要する。
こちらのニュースによると、3月9日にコペンハーゲンでEU外相の非公式会合が開かれ、その場でA.アジュバリス・リトアニア外相がベラルーシとロシア・カリーニングラード州における原発建設プロジェクトを「無責任」として批判したということである。ベラルーシの原発は対リトアニア国境から50kmの地点での建設が決まっており、カリーニングラード州もリトアニアと隣接していて、いずれの原発もロシアの技術で建設される。アジュバリス外相によれば、いずれも国際的な原子力安全のルール・標準・憲章に違反した無責任なプロジェクトである。両プロジェクトが環境に及ぼす影響につき、いまだにしかるべき回答がない。したがって、EUの対外政策にもとづいて、EU諸国が共通の立場を打ち出すことが肝要だと、外相は訴えた。
No.0034 2012年2月11日
ベラルーシを代表する政治評論家のV.カルバレヴィチ氏に、最新のベラルーシ事情に関するレポートを寄稿してもらった。そのなかで、ベラルーシの原発建設に言及した箇所があるので、差し当たりその部分だけ以下のとおり翻訳して紹介してみたい。
ベラルーシの原発建設は、実に奇妙なプロジェクトだ。原発建設は、ベラルーシが直面する問題を何一つ解決せず、逆に新しい問題を作り出す。
ベラルーシが厳しい経済難に見舞われているまさにその時に、大規模建設プロジェクトに着手するというのは、賢明なこととは思われない。ベラルーシの国庫には、そのために必要な財源はない。原発はロシアの資金で建設されようとしており、その目的のためにロシア側は100億ドルを貸し付けることになっている。
ロシア側がベラルーシで実施しようとしている原発の設計案は、一切前例のないものであり、またしてもベラルーシ人が実験台にされようとしている。
当初、原発建設の理由の一つとされていたのは、余剰となった電力を輸出し、貿易赤字を補填するというものだった。ところが、現在この地域では、リトアニア、ポーランド、ロシア・カリーニングラード州、そしてベラルーシと、実に4箇所で新たな原発の建設が計画されている。カリーニングラード原発などは、すでに建設が開始された。しかも、この地域一帯は産業の発展度が低い。ベラルーシの原発は同国北西のグロドノ州オストロヴェツでの建設が決まっているが、同州は産業の発展度でベラルーシ東部に引けを取る。バルト3国などは、ソ連時代の鉱工業をすでに放棄してしまった。
かくして、余剰の電力をどこに持って行くのかというのが、大問題となる。ベラルーシの原発は元が取れないという恐れも出てくるわけで、その場合にロシアからの融資をどのように返済するのか?
ロシア側は、ベラルーシの原発で生産される電力を輸出するための合弁企業の創設を、要求している。つまり、ベラルーシは借金を負い、原発を建てながら、電力販売収入はロシアと折半しなければならないわけだ。
このシナリオは、ロシアにとって好都合だ。ベラルーシは、エネルギー面でも、資金面でも、ロシアに依存することになる。なぜなら、原発の燃料はロシアが供給し、核廃棄物もロシアで処理されることになるからだ。
No.0033 2012年1月26日
国際的なコンサル会社のErnst & Youngが、世界各国の再生可能エネルギー利用条件に関するレポートを定期的に発表し、同分野の「国別有望指数(CAI)」というものを制定しているということを知った。レポートはこちらのページからダウンロードでき、最新号は2011年11月発行の第31号となっている。
この資料では、世界の主要国(現状では40ヵ国と多くはない)を対象に、風力、太陽光、バイオマス、地熱といった再生可能エネルギーの利用にまつわる様々な環境・条件(法制度、補助金、インフラなど)を評価し、それを指数化して、国別ランキングを制定している。実際の利用状況ではなく、投資の有望性に関する評価なので、注意が必要である。最新の2011年11月のランキングによれば、1位が中国、2位が米国、3位がドイツと続き、日本は15位となっている。
さて、これまでロシア・NIS諸国はまったく同ランキングの対象となっていなかったが、最新の2011年11月のランキングで、初めてウクライナが評価の対象になったことが注目される。初登場のウクライナは、100を最高点とする指数で37のスコアとなり、40ヵ国中32位の有望性と評価された。うち風力では指数37(32位)、太陽光では指数33(23位)とされている。以下では、レポートのなかでウクライナの状況に関して論評しているページを、抄訳してまとめておく。用語や事実関係など、やや心もとないところもあるが、悪しからず。
ウクライナは有望市場ではあるが、経済的不透明感と政治的不安定により、投資家は躊躇し、老朽化した発電所と劣化した送電網に起因して、エネルギー・システムは非効率なものとなっていた。
しかし、ここに来て、前向きな要因が出てきている。ウクライナ政府は2006年に発表した戦略のなかで、2030年までに電力の19%を再生可能エネルギーで賄うという目標を示しており、現在もその目標を追求している。また、2010年半ばには、IMFと2年半で150億ドルの新クレジットラインにつき合意しており、これにより投資家の関心が再び高まることが予想される。
ウクライナの再生可能エネルギーのポテンシャルには注目すべきものがある。以前の料金体系とは異なり、2009年4月には再生可能エネルギーの種類ごとに料金体系を差別化することをねらった「グリーン料金法」が採択された。これは、2009年1月1日現在で設定された基本料金に対し、種類ごとに異なる係数を適用するというものである。同法はまた、ウクライナの通貨フリヴニャの切り下げによりグリーン料金に不利が生じないよう、その時点のレートで換算されたユーロ建ての最低額を導入していた。グリーン料金法は、こうした料金体系でのグリーン電力の購入を2030年まで政府に義務付けると同時に、送電網へのアクセスを保証した。さらに、グリーン料金制度に変更が生じた場合には、エネルギー生産者は新旧ルールのうち有利な方を選択できる。また、サプライチェーンの安定化を図るため、2012年1月1日からはプロジェクトにかかわる物資・作業・サービスの30%以上が国内で調達される必要があり、2014年1月1日からはそれが50%以上になる。
ただし、2030年の目標を達成するためには、ウクライナはまず複雑な許認可制度を改善しなければならないだろう。また、国全体のグリッド・キャパシティが約7GWあるのに対し、再生可能エネルギーのポテンシャルの大きいクリミアでは2GWに限られることから、この点の改善も求められる。
グリーンエネルギー企業およびプロジェクトには、広範な税制優遇が適用される。それは、2011年1月1日から10年間の電力販売に対する法人税の免除、特定の部材の輸入に対する付加価値税の免除、プロジェクトのための土地購入に対する土地税の75%減税である。
ウクライナの再生可能エネルギー関連プロジェクトに資金を出してきたのは伝統的にウクライナ政府であり、2011年4月に政府は、2010~2015年の「省エネ経済プログラム」に割り当てていた財源をさらに70億ユーロ増額し、320億ユーロまで拡大した。その大部分がグリッドの近代化に向けられる。
ウクライナの風力発電のポテンシャルは大きい。しかし、その開発は進んでおらず、2009年末の時点で87MWが設置されているだけで、2010年中の設置はゼロであった。開放地点の平均風速は秒速6.5m程度で、丘陵地では8mに達する可能性がある。風力発電のポテンシャルは19~24GWに達する可能性があるが、建設許可を得ているところは数少ない。向こう5年間で750MWが新規稼働するという予測もある。クリミア半島とウクライナ南東部が最も有望である。クリミアでは900MWの風力発電施設を建設するプロジェクトに12億ユーロが投資され、第1ステージの125MWの建設は2011年中に始まる可能性がある。DTEKの子会社であるWind Power社が、アゾフ海海岸での1.2GWの風力発電施設建設に向けた作業に着手したところでもある。政府は、2030年までには、グリーン電力が奏功し、電力の20~30%を風力で発電することを目標に掲げている。
ウクライナは太陽光発電のポテンシャルも大きく、2010年末時点での設置実績は、ごくわずかである。ただし、オーストリアのActiv Solar社が2011年にクリミアのオホトニコヴォでのプロジェクト80MWの4フェーズのすべてを完了し、本件は中東欧で最大のPVプロジェクトとされている。ウクライナの2010~2015年の目標キャパシティは、1GWである。
ウクライナでは伝統的に農業が主要産業であったため、同国の再生可能エネルギー・ポテンシャルの3分の2は、バイオマスに関係している。現在、バイオマスによる発電は全体の0.5%に満たないが、その10倍以上の生産が可能であると考えられている。
水力発電は、現時点でウクライナで最も実際に活用されている再生可能エネルギーである。ウクライナには約22,400の河川があるが、うち100kmを超えるものは110にすぎない。したがって、小規模水力発電所のポテンシャルが非常に大きく、現状での設置は150MWにすぎないのに対し、ポテンシャルは2.3GWに上る。
No.0032 2012年1月19日
ロシアの原子力産業ポータルサイト「Nuclear.ru」が、ネット上で、「2011年にどのような出来事が原子力産業にとって最も重要だったか」というアンケートを行っている。回答数が現在のところ300あまりと少ないので、客観的な調査とは言いがたいが、2011年にどのような重要な動きがあったかを整理するうえでは有益だろう。私が閲覧した2012年1月19日時点での回答状況は、以下のとおりとなっている。
1.日本の「フクシマ」における原発事故:164票
2.ロシア下院選挙とその後の野党の反政府デモ:43票
3.イランのブシェル原発の稼働、ロシアのコラ原発4号機の稼働:30票
4.ロシアがベトナム、バングラデシュ、ベラルーシと原発建設協定:24票
5.ドイツ、イタリアが原子力エネルギーを放棄:22票
5.ロシア原子力公社「ロスアトム」内の汚職の取り締まり:22票
7.原発輸出を手がける「アトムストロイエクスポルト」の改組と、海外での設計を担当する「ルスアトム・オーバーシーズ」の設立:20票
2位の出来事は、原子力産業と直接の関係はないようにも思われるが、それだけインパクトが大きく、多方面に影響が及ぶとイメージされているのだろう。
No.0031 2012年1月2日
本コーナー「チェルノブイリ~東電~浜岡」を立ち上げてから、しばらくは熱心に更新をしてたんだけど、昨年の終盤に更新が滞ってしまった。一頃、原発・放射能に関する報道・情報が蔓延し、そうしたなかで素人の自分に何ができるのかという無力感や迷いを覚えるようになり、忙しかったこともあって、つい本コーナーを放置してしまった。
しかし、暮れに、『SIGHT』誌の最新号を目にして、はっとさせられた。『SIGHT』誌は、渋谷陽一氏が経営するロック出版社から出ている時事問題に関する季刊誌。下に見るように、3号連続での原発問題特集であり、最新号は「原発報道を終わらせようとしているのは誰だ」というタイトルになっている。
なるほど、氾濫する原発報道に食傷気味という感じもしていたが、言われてみれば、私を含めて、当初の衝撃や危機感が薄らいでいたかもしれない。かつて渋谷陽一氏は「(THE WHOの)ピート・タウンゼントはまだ怒っている」という名言を残したが、渋谷陽一も原発問題にまだ怒っている。怒ることに疲れていない。すごいぞ、還暦ロック評論家。私も少しはそのパワーを見習いたいと思った次第だ。
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